速度を落としているとはいえ、高空を飛んでいるのである。吹き込んでくる風は尋常なものではない。それでも、男たちは風ににひるむことなく、順番に、「らん、らん、るー!」という掛け声を上げながら空へ飛び出していった。
柿崎は男たちから視線を外すと、壁の小窓から眼下に遠く見える街の明かりを見つめた。
(大阪の最期の夜、か・・・)
スードリはゆっくりと夜の空を進んだ。