第六章『サイコ・カーネル・サンダース』


 夜の大阪の街に降り立った柿崎少佐率いるドナルド部隊は、各班、予定されたポイントから府庁に向かって進んだ。
いつもであれば、光り輝いているこのネオンのしたで人々が酒に酔ったり笑いさざめいたりと賑やかな繁華街であるはずの大阪は、今はライフラインだけを残したゴーストタウンのように静まり返っている。
柿崎は周囲に警戒を配りながら、予想外の抵抗の少なさに逆に緊張を高めていた。彼の後ろをドナルド部隊1班の隊員たちが続く。
「少佐、6班から無線が入っています!」
「貸せ」
「柿崎少佐、応答願います」
「柿崎だ」
「少佐、6班ですが、つい先ほど府庁から飛び出してきた巨大なカーネル・サンダースと戦闘状態に入りました。負傷者が出ています。各班、応援願います」
「カーネル・サンダースだと!?」