大阪府府庁では、各地からもたらされる報告に騒然となりながら、府の最高責任者の命令を待った。
「知事、岸和田市から西はすべて落ちました!」
「上も、吹田市豊中市が落ちるのは時間の問題かと!京都方面からの攻撃が激しいようです!」
本橋大阪府知事はデスクを拳で殴りつけながら、
「クソッ!他の知事たちはどうしているんだ!?まさか中央に丸め込まれたのか!?」
食いしばった歯の間からうめくように叫んだ。
「府知事、もはやこれまでです。降参して我々もガスを吸いましょう」
「アホか!貴様、本気でそんなことを言ってるのか!」
本橋は降伏をすすめた秘書の胸倉をつかみ、噛み付かんばかりの怒りの形相をみせた。
「しかし知事、人的にも物的にも、なんら被害は出ていないのです。府民の抵抗が激しくなって怪我人が出る前に・・・」
「文化的被害は甚大だ!」