僕が君を護る盾となろう

302。

プレートにはそう書いてある。

昇はノックしてからドアを引く。

「失礼しまぁす…」
「どちら様?」

部屋の奥から声がする。

「あ、この前の人!」

美麗が笑う。

「この前はありがとうね。お見舞いに来てくれたの?」
「それよりも、荷物をまとめてくれ。ここから逃げ出す」
「逃げ出す?」
「既に仲間が下で待ってる。急いで!」

既に何かを聞いていたのか、頷くとバックに荷物を詰め始めた。

昇はドアから顔を出す。

まだ誰も来ていない。

「あの…」
「ん?」

昇が振り返ると美麗が昇のコートを持っていた。

「これ、返します。ありがとうございました」
「ああ…大丈夫。あげるよ。それより、外は寒い。着て行きな」

昇と美麗は入口へ向かう。