僕が君を護る盾となろう

それから一週間後。

昇はバイクを止める。

バイクのカゴには花束が入っている。
ゆっくりと階段を登ると一つの場所で止まる。

そこには「吉田家之墓」と書かれていた。

「父さん、母さん。久し振りだね?元気にしてた?」

昇は墓石に話し掛ける。

そのまま持ってきた雑巾で墓を磨く。
彼の父親は科学者だった。
政府から指示された薬を作る仕事。
父は常にその仕事に後ろめたさを感じていた。

そんなある日。

父が死んだ。

実験の最中に誤って死んだとしか政府は言わなかった。
死体さえも返される事は無かった。