【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―





「なぁ、香月?」



先生が私の横で手をヒラヒラさせた。


先生の方を見る。



「何かあったらさ……。俺に何でも言ってこいよな?」


『ありがとうございます。でも大丈夫ですから』



そう書いたメモ帳を先生に見せた。


前とメモ帳を交互に見る先生。



「そっか……。なら、いいんだけど……」


“そっか”と言ったのだけはわかった。


その後は何を言ったのかわからなかった。


でも、どうして先生はあんなことを言ってきたんだろう……。