「なぁ、香月?」 先生が私の横で手をヒラヒラさせた。 先生の方を見る。 「何かあったらさ……。俺に何でも言ってこいよな?」 『ありがとうございます。でも大丈夫ですから』 そう書いたメモ帳を先生に見せた。 前とメモ帳を交互に見る先生。 「そっか……。なら、いいんだけど……」 “そっか”と言ったのだけはわかった。 その後は何を言ったのかわからなかった。 でも、どうして先生はあんなことを言ってきたんだろう……。