「そっか……」
先生が信号を気にしながらメモ帳にそう書いた。
信号が青になって車が走り出す。
私は制服のポケットから自分のメモ帳を取り出した。
新しいメモ帳。
最後のページには先生と初めて会話したメモ帳を貼ってある。
そのメモ帳の1番最初のページを開いた。
そして先生の横で手をヒラヒラさせる。
気付いた先生がこっちをチラッと見た。
『ゆっくり話してもらえたらメモ帳に書かなくても大丈夫です』
そう書いたメモ帳を見せた。
再びメモ帳をチラッと見る先生。
「オッケー」
と、先生は手でオッケーサインを作った。



