「実は香月に話があって、保健室に来るように言ったんだ」
メモ帳を見た香月は不思議そうに俺の顔を見た。
「あのな……」
あぁ……。
どう香月に話したらいいんだ。
“苦情があって”と本当のことを伝えていいのか……。
俺は助けを求めるように咲哉の顔を見た。
「自分で伝えろ。担任だろ?」
そう冷たい返事が返ってきた。
俺と咲哉を見て、更に不思議そうな顔をしてる香月。
「明日から放課後、香月に個人授業したいんだが……」
何か“個人授業”って言葉がエロかったか?
香月は大きな目を更に大きくしてメモ帳をジッと見ていた。