その時、体育館裏に入ってくる人影が見えた。


あっ!先生だ……。


走って来たのか、肩で呼吸しながらこっちに向かって来る。


ベンチのとこまで来た先生は、前と同じようにベンチを指差す。


私は頷くと、鞄に自分の足元に置いた。


先生がポケットからメモ帳を取り出す。


あっ……新しいメモ帳だ……。



「まだいてくれて良かった」



そう書かれたメモ帳を私に見せる。



『私に何か用ですか?』


「放課後、残れる?」



えっ……。


どうして?


そう思いながらも“コクン”と頷く。



「放課後、保健室に来て?」


『わかりました』



保健室で何があるの?


私は先生の横顔を見た。


綺麗な横顔……。