【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―





「なぁ、咲哉?」


「ん?」


「香月の1年と2年の時の担任って誰かわかるか?」


「この学校にはいないぞ。2人とも異動になったから」



はぁ?


いねぇのかよ!



「じゃー、その1年と2年の時の担任はどうやってたかわかるか?」


「確か……」



咲哉がコーヒーを一口飲む。


早く言えよ!



「ゆっくり授業をして、遅れてるとこは後から補習してたかな?それで余計に苦情があったみたいだけどな。そりゃそうだよな。香月1人が補習になるんじゃなくて、クラス全体が補習になるんだからな」



補習?


補習……。


補習ねぇ……。


ん?


…………あっ!


そっか………。


どうして俺は今まで気づかなかったんだ?