「瑞樹か……。どうしたんだ?」 椅子ごとこっちに向いた咲哉がそう言った。 「ちょっと咲哉に相談があってな」 「相談?」 「あぁ」 俺は咲哉のいる机の横に置いてある丸椅子に座った。 「で、相談って?」 咲哉はパソコンの電源を落としながら言った。 「香月のことなんだけどな……」 「話を聞く前に、コーヒー飲む?」 「あぁ」 俺の返事を聞くと、咲哉が立ち上がる。 しばらくしてマグカップを2つ手に持って戻ってきた。