【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―




教室に入ると、今までバラバラだった生徒が自分の席に着いた。


香月の方を見ると相変わらず窓の外を見ている。


そして周りの生徒が席に着いたのが見えたのか、香月が前に向いた。


目が合う。


香月は少しだけ微笑んだ。


その顔を見て“ドキッ”としてしまった。


慌てて目を出席簿に落とす。



「出席取るから、呼ばれたら立って返事」



香月に出席を取ってるのがわかるように、名前を呼ばれた者は席を立つことにした。


香月を見てると、さっき校長に言われたことを思い出す。


どうすれば香月にとっても他の生徒にとってもいいようになるんだろうか……。


そんなことを考えながら、出席簿の1番上に名前の書いてある生徒の名前から順番に名前を呼んでいった。