「瑞樹~。おなかすいた~」
俺が飲んでいたミネラルウォーターの入ったコップを取って、残っていたミネラルウォーターを一口飲んだ。
「今、起きたとこだから。悪いけど用意したら行かなきゃいけないんだ」
「そうなの~」
星羅からシャンプーの香りがする。
誰かとどこかで泊まったんだろう。
付き合ったばかりの頃はそれが凄く嫌だった。
毎晩、遊び歩く星羅の姿を見るのが……。
知らないシャンプーの香りがする星羅が……。
男物の香水の香りがする星羅が……。
全てが嫌だった。
胸の中がモヤモヤしていた。
でも、今はもう慣れた。
だから俺もいちいち何処で誰と何をしてたかなんて聞かなくなった。



