“ガチャ――”
玄関が開く音がした。
また朝帰りかよ……ったく……。
「ただいま」
リビングに入って来たのは同棲してる俺の彼女。
名前は椎名星羅(シイナ セイラ)
俺より3つ下の22歳。
親父の会社の取引先の社長の娘。
星羅の親父と俺の親父は昔から仲が良かった。
1回だけ俺の家族と星羅の家族で食事をした時、星羅が俺を気に入ったらしく、星羅の親父に言われて付き合うようになった。
星羅を見た時には可愛い子だと思った。
その時には彼女もいなかったし好きな人もいなくて断る理由はなかった。
でも許婚でも何でもない。
星羅とはただのカレカノの関係。
星羅は大学生でも働いてるわけでもない。
プー太郎ってやつ。
生まれた時から恵まれた環境で育ったから金には苦労したことはない。
言えばいくらでも金が出てくるから。



