私は1冊のメモ帳に目がいった。 シルバーのリングが付いたメモ帳。 ハードカバーのしっかりとした表紙。 シンプルなメモ帳。 色は何色かあったけど、空のような綺麗な青色のメモ帳を手に取った。 そのメモ帳を手に取った時、先生の顔が頭に浮かんだ。 先生と筆談する時に使うメモ帳にしようかな……。 先生専用のメモ帳――……。 …………って、私、何考えてるんだろ。 でも、そんなことを思っていても手に取ったメモ帳が気になる。 私はメモ帳を棚に返すことなく、それを持ってレジに向かった。