「そろそろ昼休憩が終わるぞ?」 先生はメモ帳にそう書いてベンチから立ち上がった。 私は携帯の時計を見る。 あ、ホントだ! 私は慌ててお弁当箱をハンカチに包み、それとペットボトルを鞄に入れた。 「早く教室に戻れよ」 私は“コクン”と頷いた。 先生はメモ帳を私の膝の上に置いて、体育館裏から出て行った。 先生とメモ帳での初めての会話。 たった2ページだけの会話。 そのメモ帳をポケットにしまうと、ベンチから立ち上がって鞄を持った。 そして私は、教室に向かって歩き出した。