【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―





「香月ハルって、お前のクラスの生徒だろ?そいつがお前と同じこと言った生徒だ」



――香月ハル。


俺はその名前に反応してしまった。



「おい!瑞樹?」


「あ、ん?」


「急に黙りこんで変なヤツだな」



咲哉が鼻で笑うと、またパソコンの画面を食い入るように見た。



「なぁ、咲哉?」


「んー?」



パソコンの画面を見たまま返事をする咲哉。



「香月って、ここによく来るのか?」


「あぁ。保健室の常連だな。ここは体育館裏の次に安らげる場所らしいぞ」


「そうなんだ……」


「おっ!香月が気になるのか?」



咲哉は意地悪そうな顔で俺を見た。



「ち、ちげーよ!」


「ふーん……。まぁ、お前には彼女がいるもんな」



咲哉は再び意地悪そうな顔で俺を見た。


そしてまたパソコンの画面の方に向き直った。