「久しぶりだな」 私は“うん”と頷いた。 先生の声が聴こえる。 低いけど優しい声が……。 ずっと聞きたかった声。 私の耳に先生の声が届いてる。 「元気だった?」 頷く私。 「相変わらず泣き虫だな」 先生がクスッと笑うと、先生の指が頬に触れた。 「…………せん、せぇ?」 私が口から発した言葉を聞いて、先生が目を見開いた。 「香月?しゃべれるのか?」 「……うん」 「香月の声、初めて聞いた」 先生が笑顔で頭を優しく撫でてくれた。 あの頃と同じように優しく撫でてくれた。