―瑞樹Side―



香月が卒業して5年が経った。


俺は今も同じ中学校で教師を続けている。


咲哉も養護教諭として同じ中学校にいる。


卒業式の日。


俺は香月が病院に来てくれると思った。


そう信じていた。


病院に来たら、香月に気持ちを伝えようと思った。


でも……。


香月は来なかった。


俺は今でも香月のことが好きだ。


香月の笑顔が、香月の泣き顔が今でも忘れられない……。


香月を思い出すたびに俺の胸はドキドキ鳴り出すんだ……。