『先生、これ……』
私はケーキの入った紙袋を先生に差し出した。
「俺に?」
『うん。お見舞い』
「サンキュー」
先生はそう言って、枕元に置いてあるリモコンを取った。
ベッドのリクライニングが上がっていく。
ベッドに座った状態になった先生は紙袋を受け取った。
「開けていい?」
『うん』
先生は紙袋から箱を出して、リボンをほどいて箱を開けた。
「すげー!これ、香月の手作り?美味そ~!」
『お母さんと一緒に作ったんだ』
「食っていい?」
『えっ?食べて大丈夫なの?』
「へーきへーき!ここいたらさぁ、食うことぐらいしか楽しみがないんだよね」
先生って子供みたい。
でも元気になって良かった。
先生の元気な姿を見て安心した。