せん、せ……。
私は先生の顔を近くで見た途端、涙があふれてきた。
「香月、来てくれてありがとな」
ビックリした顔から笑顔になる先生。
私の目から、ひとつ、またひとつ、涙が落ちていく。
「座ったら?」
『う、うん……』
私は椅子に座った。
「何、泣いてんだよ!香月は泣き虫だな」
先生はベッドから手を伸ばすと、私の頬に触れた。
『せん、せ……ゴメンね……』
「どうして謝るんだ?」
『だって……だって……私のせいで……』
「香月のせいじゃないよ。だから謝んなくていいし、自分を責めなくていいからな」
先生は優しく私の頭を撫でてくれた。



