玄関を出ると、見覚えのある車が止まってる。
ブルーの車。
車の外でドアに寄り掛かってる阿川先生。
これが好きな人とのデートとかならドキドキしちゃうんだろうけど、残念ながら阿川先生に対してはドキドキはない。
ビックリしただけ。
阿川先生は友達みたいな感じだから。
阿川先生は私に気付くと笑顔で手を上げた。
『どうしたの?』
「送って行ってやろうと思って」
『別に良かったのに~』
「いいから。乗れよ」
『あ、うん……。ありがとう』
私は助手席に乗った。
先生も運転席に乗る。
エンジンをかけて、車をゆっくり発進させた。