―瑞樹side― 俺は職員室を出て、誰もいない廊下を歩いていた。 向かう先はひとつ。 保健室だ。 1階の廊下の突き当たりにある保健室。 俺はそこのドアを開けた。 「忘れ物か?」 パソコンの画面とにらめっこしてた咲哉がそう言って、こっちを向いた。 「よぉっ!」 咲哉に軽く手を上げる。 「なんだ……瑞樹か……」 咲哉はそう言うと、またパソコンの画面の方に向き直った。