お母さんが紅茶とクッキーを持って部屋に入って来た。
『お母さん!先生ね、意識が戻ったんだって!』
「そう!良かったわね!」
お母さんはニコニコ笑いながらそう言った。
『うん!』
お母さんはテーブルに紅茶とクッキーを置くと部屋を出た。
「川瀬先生なぁ、香月のこと心配してたぞ?」
『えっ……私のこと?』
先生は私を庇って刺されたのに……。
私の心配してくれるなんて……どこまで優しい人なんだろう……。
「だからな、香月?もう何も気にするな。なっ?」
阿川先生が頭を優しく撫でてくれた。
『うん。ありがとう』
私は泣き笑いの顔で、阿川先生にお礼を言った。



