「ハル?」
お母さんが部屋に入って来た。
「阿川先生が来て下さったわよ」
『阿川先生が!?』
お母さんは部屋のドアを開けたまま廊下の方を向いた。
「よぉ!」
部屋のドアから顔を覗かせたのは笑顔の阿川先生。
阿川先生とお母さんは会釈をして、お母さんは部屋から出て行った。
「ここが香月の部屋かぁ……」
阿川先生は部屋をキョロキョロ見渡している。
「女の子らしい部屋だな。あ、座っていい?」
『どうぞ?』
阿川先生は小さなテーブルの前に座った。
私はベッドから降りて、阿川先生の向かいに座った。
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