「ハル……」
お母さんが部屋に入ってきた。
「ご飯、出来てるから……」
『いらない。食べたくない……』
私は頭を左右に振った。
「ハル……」
お母さんは私の前に座ってきた。
『ねぇ?お母さん?』
「ん?」
『私が刺されれば良かった……。そしたら……先生は……刺され……なくて……すんだのに……。私のせいで先生が刺されちゃったよ……。もし、私の耳が聞こえたら……声が出せたら……叫んで助けを呼べたのに………』
洪水のように流れる涙。
「ハル?そんなこと言わないで?先生は大丈夫だから……。絶対に助かるから……。だから、自分を責めないで……」
お母さんの目からも涙が流れてる。
そして、お母さんは私を優しく抱きしめてくれた。