お母さんに支えられて家の中に入った。
玄関に置いてある姿見に映った自分。
制服の紺色のブレザーは血がついて変色していた。
手や顔には血がついている。
あの出来事が頭の中に蘇る。
再び私の目に涙が溜まっていく。
姿見に映る自分が歪んで見え、瞬きするとポロポロと落ちていく涙。
「ハル……。泣かないで?」
お母さんの目にも涙があふれていた。
そして、お母さんに体を支えられたまま脱衣場に行き制服を脱いだ。
「お風呂が沸いてるから、お風呂に入って体を温めなさい」
頷いた私は下着を脱いでお風呂場に入った。
シャワーのコックを捻る。
冷たい水から、だんだん温かいお湯に変わっていく。
床にペタンと座り頭からシャワーを浴びた。
赤く染まったお湯が排水口に流れていく。
私の涙も一緒に流れていく。
先生………。
ゴメンね………。
ゴメンね…………。
私は何度も何度も心の中で先生に謝り続けた。