公園の脇に止めてあった先生の車。


その先生の車を阿川先生が運転して家まで送ってくれた。


家の前に着いた時、助手席の窓を見てた私の肩を阿川先生がポンポンと叩いた。


振り向く私。



「おうちの人と話して来るから、ここで待ってて?」



阿川先生はそう言うと、車から降りて私の家の中に入って行った。


助手席の窓の外をボーと眺める私。


頭に先生の笑顔と、刺された後の苦痛で歪む顔が交互に浮かんでくる。


先生……。


何で?何で私を庇ったりしたの?


しばらくして阿川先生とお母さんが出て来た。


阿川先生が助手席のドアを開けてくれた。


私は車から降りる。



「ハル!」



お母さんが私に駆け寄って来て、ギュッと抱きしめてくれた。


私の体を離すと、お母さんと阿川先生はお互いに会釈をした。


そして阿川先生は車に乗って帰って行った。