【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―




先生は担架に乗せられ救急車の中に運ばれた。


阿川先生は警察官や救急隊員の人と何か話してる。


私はその場にしゃがんだまま動けなかった。


先生の元カノは手錠をかけられ、警察官に付き添われて公園の外に歩いて行った。



「香月?」



阿川先生が私の肩を優しく叩いた。


顔を上げて阿川先生を見る。



『阿川先生!私……。先生に付き添って病院に行く!』


「香月……」


『お願い!先生の傍にいさせて?だって……先生は…私の……』



その時、阿川先生は私の体をギュッと抱きしめた。


少し体を離して私の顔を見る阿川先生。



「香月のせいじゃない!自分を責めるなよ……。お願いだから……」



阿川先生は泣きながらそう言うと、再び私の体を抱きしめた。