周りに野次馬が集まってくる。
口を手に当てて驚く人。
友達同士でヒソヒソ話してる人。
中にはニヤニヤ笑ってる若者もいる。
子供に見せないように、子供の目を手で隠す母親。
私には、そんな野次馬の声は聞こえない。
私の目から流れた涙は先生の頬に落ちていく。
次から次へと止まることのない涙。
「こう、づき?」
先生が目をうっすら開けた。
先生!
「良かった……。お前が……刺されなくて……良か……った……」
私は首を左右に振った。
「香月?泣か……ない……で?俺は……大丈夫……だから……」
先生の手が私の頬に伸びてきて私の頬にそっと触れた。
頬を流れる涙を優しく拭ってくれる先生。
それでも止まらず溢れる涙。
「香……月……。ゴメン……な……」
私は激しく首を左右に振った。
そして先生の口を人差し指でそっと押さえた。
もう、何もしゃべらないで?
先生……。



