【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―





「瑞樹と2人で車に乗って、飯食いに行くのって久しぶりだな」


「そうだな。学生の頃はよく行ってたよな」



俺は車の窓を少し開けて、タバコを口に咥えると火をつけた。



「空が怪しいな……。雪が降らなきゃいいけど」


「そうだな」



そんな会話をしていた時、公園の前の信号で車を止めた。


ふと、公園の方を見る。


ん?


あれって……香月?



「なぁ、咲哉?」


「ん?」


「あそこにいるのって香月だよなぁ?」



咲哉は運転席の方の向いた。



「あぁ、香月だな」


「何、やってんだ……って……」



香月の前にいてベンチに座ってる女。


顔はわからないが、あの後ろ姿は――……。