【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―




俺はリボンをほどき中のクッキーを1枚取り出すと口に入れた。



「うまっ!」



手作りのお菓子を食べるのは、いつ振りだろう……。


甘さが控えてあって美味い。



「だろ?」


「咲哉も、もらったのか?」


「あぁ」


「なーんだ……」


「残念だったな」



咲哉がクスッと笑った。


ホント、残念だよ。



「なぁ、飯でも行かね?」



俺はクッキーの袋にリボンを結びながら言った。


残りは家で食べよ。



「別に構わねぇよ」



咲哉は鞄に書類を入れながらそう言った。




「えっと、じゃー……どうしようか?俺の車で行く?」


「瑞樹、飲まねぇの?」


「飲んだら代行頼んでもいいしな」


「そうだな」



咲哉の車は学校に置いとくことにした。


明日は休み。


咲哉は明日は家から出ないらしい。


だから明後日の朝に咲哉のマンションに迎えに行くことで話がついた。


俺はクッキーの袋を鞄に入れて、咲哉と保健室を出た。