私は阿川先生の肩を叩く。
「ん?」
キーボードを打つ手を止めて私の方を向いた。
『そんな難しい顔して何してるの?』
「仕事に決まってんだろ?」
『ふーん……』
本当に仕事かなぁ?
もしかして……変なサイトでも見てるんじゃないの?
阿川先生も男だし。
私はパソコンの画面を見ようとした。
「こらっ!」
阿川先生がパソコンの画面を手で隠す。
「企業秘密」
『ケチ!』
私は舌をベーって出して笑った。
阿川先生も笑う。
「あ、コーヒーでも飲むか?」
『うん』
阿川先生が椅子から立ち上がる。
その隙にパソコンの画面を見ようとしたら「パソコン見たらデコピンな」と、そう言って笑った。



