モデルのように綺麗な女性。
大きな目が印象的で、近くで見ると迫力がある。
元カノはニコニコ笑っていた。
でもその笑顔が、どことなく怖い。
左手の手首に包帯が巻いてある。
これが自殺未遂の後?
「香月ハルさんでしょ?」
どうして私の名前を知ってるの?
やっぱり阿川先生が教えてくれたように探偵を雇って私のことを調べたの?
私は頷いた。
「瑞樹が勤める学校の生徒さんよね?」
私はポケットからメモ帳を取り出した。
『耳が聞こえないので、ゆっくり話して下さい』
そう書いて元カノに見せた。
「あ、ゴメンなさいね」
『いえ……』
私は首を左右に振った。
先生の元カノが何の用だろう……。