『阿川先生?』
私は阿川先生の肩をポンポンとした。
「ん?」
私は鞄からラッピングされたクッキーを1袋取り出した。
『これ、川瀬先生に渡して?補習でお世話になってるし、それから……もうすぐクリスマスだから……』
「自分で渡せよ~!」
『や、やだ!阿川先生から渡してよ!』
恥ずかしいから……。
それに先生が受け取らなかったら……。
そう思うと怖いし。
「わかった渡しとくよ」
阿川先生がクッキーを受け取った。
『ありがとう』
「これ手作り?」
『うん。お母さんが作ったんだけどね』
「そっか。で、俺にはないの?」
『えっ?阿川先生も欲しかった?』
「そりゃ……まぁ……」
阿川先生が照れ笑いをした。
何か可愛い。



