それから阿川先生は全てを話してくれた。 『うそ……』 私は目を見開いたまま、そう言うのが精一杯だった。 「香月?俺から聞いたことは内緒な?」 『うん……』 やっと本当のことが聞けたのに……。 胸がモヤモヤする。 聞かなきゃ良かったのか……。 聞いて良かったのか……。 自分でもわからなかった。 でも先生の優しさは嬉しかった。