「聞きたいことって何?」



私は小さく溜め息をついた。



『どうしてノートでの補習を始めた途端に阿川先生に送ってもらうことになったの?あと……ノートでの補習になったのって本当に受験勉強のため?』


「香月?前にも言ったろ?ノートで補習になったのは受験勉強のためだって。俺が送って行くのは、川瀬先生はこれから受験のことで忙しくなるんだ。それで川瀬先生から頼まれたんだ」



阿川先生は笑いながら私の頭をポンポンってした。



『じゃー何で?私がノートでの補習になった理由を聞いた時に先生は困った顔したの?』



阿川先生の顔から一瞬、笑顔が消えたのを見逃さなかった。


やっぱり他に何か理由があるんだ……。