【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―





「そっか……。瑞樹が香月のためにそこまでするとはな」



咲哉がクスッと笑った。


当たり前だ。


俺は香月が好きだから……。


好きな子を守りたいと思うのは当然だろ?



「保健室での補習は辞めるけど補習は続ける」


「どうやって?」


「ノートを使うんだよ」


「ノート?」


「あぁ。交換日記みたいなもんかな。それだったら放課後に毎日、残らないでもいいだろ?」


「そうだな」


「でも、もし放課後に残らないといけないことがあったら、咲哉、お前に香月を送って行くのを頼んでいいか?」


「いいよ。親友の頼みだ。俺も協力するよ」



咲哉が笑顔でそう言ってくれた。



「サンキューな」


「いいって!」



咲哉が肩をポンポンと軽く叩いてきた。


良かった。


これでとりあえずは香月を守れるはずだ……。




―瑞樹Side end―