【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―




保健室のドアを開けると、香月の姿が見えた。


咲哉と手話で会話してる。


咲哉が振り向くと、香月も振り向いた。


香月を見ただけでドキドキする。


俺って相当、香月が好きなんだな……。



「なぁ、咲哉?」


「ん?」


「ちょっと2人きりで話したいんだけど……いいか?」


「あぁ」



咲哉が椅子から立ち上がる。



「香月?ちょっと阿川先生に話があるんだ。悪いけど、話し終わるまでここで待っててもらってもいいか?」


『うん』



香月は不安そうな顔で頷いた。


不安な気持ちにさせてゴメンな。


咲哉に話し終わったら、ちゃんと香月にも話すから。


俺と咲哉は奥のベッドのある部屋に入った。