【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―




どれくらい走ったのかわからないけど、しばらくして阿川先生に肩をポンポンと叩かれた。


体が“ビクッ”となる。


駐車場からずっと目を瞑り俯いてた私は目を開けた。


でも、まだ目が真っ赤に腫れてるかもしれなくて顔が上げれない。


そんな俯いてる私の前に携帯が差し出された。



【もう大丈夫だから、顔を上げて?】



そう画面に書かれてる。


私は顔を上げた。


あっ………。


そこは先生と花火大会の待ち合わせに使った公園。


目の前には幻想的な光が広がる。


公園の中央には大きなクリスマスツリーがあって、その回りはイルミネーションの光が輝いていた。


家から少し離れているけど、歩いて行ける距離にある公園。


でもここの公園のイルミネーションを見るのは初めてだった。