阿川先生が私の肩をポンポンと叩く。 でも顔が上げれない。 だって、また涙が溢れだしたから……。 阿川先生に泣き顔を見られたくない。 一向に顔を上げない私のことは諦めたのか、先生が車を駐車場から出した。 校門へ向かう車。 先生と女性の姿は嫌でも目に入って来るかもしれない。 もう見たくないよ……。 私は目をギュッと瞑って校門が目に入らないようにした。