「だったら何で?」
「愛がなくなったから」
俺は冷たく言い放った。
「私は瑞樹のこと、好きだよ?」
はぁ?
よく言うよ。
こんな時に……。
「男を家に連れ込んだり、昨日だって男と仲良く手を繋いでたろ?そんなことをしといて、俺のことが好きだなんてよく言えるな」
俺は鼻で笑った。
「それは……」
俺から目を逸らす星羅。
何も言えないじゃん。
何も言い返せれないじゃん。
「なぁ、星羅?」
「ん?」
「俺さぁ……星羅のことは本気で愛してた。星羅と結婚したいと思ってた……」
「じゃー何で?何で別れるって言うの?」
「俺はさ、星羅の行動をニコニコと笑いながら見守れるような強い男じゃないんだよ。それに星羅は、ただ単に“彼氏”という存在が欲しいだけなんだよ。違うか?」
「…………」
星羅は何も言わず目を逸らした。
ほら、やっぱり。
「瑞樹?私、ちゃんとするから……だから……」
目を逸らしていた星羅が俺の目を見る。
「もう遅いんだよ……。星羅に対して愛が再び生まれることはない……」



