―瑞樹Side―
夕方、香月は帰って行った。
送って行こうと思ったら、駅でお兄さんと待ち合わせしてるらしい。
本当にお兄さんなのか?
携帯を弄る香月は嬉しそうに見えた。
お兄さんと待ち合わせというのは嘘で、もしかしたら俺の知ってる香月の好きなヤツなのか?
「瑞樹?花火大会はどうだったんだ?お前から話し出すまで聞かないつもりでいたけど、もう限界。ちゃんと気持ちは伝えたのか?」
花火大会のことは咲哉に話してなかった。
せっかく咲哉からチャンスをもらったのに、自分の気持ちを伝えれなかったから……。
それをどう切り出せばいいのかわかんなかった。



