今日は夏休み最後の補習。


私は午後から学校に行った。


保健室のドアを開けると、相変わらず阿川先生はパソコンに向かっていた。



「香月か……」


『私じゃダメだった?』


「そんなこと言ってないだろ?」



阿川先生が微笑む。


私はいつもの椅子に座った。



『夏休みなのに大変だね』


「仕事だからな。仕事しねぇと食って行けねぇし」



阿川先生は座ったまま「うーん」と背伸びをした。



『保健室の先生って夏休みは何してんの?することないんじゃない?』


「あのなぁ……。お前は一言多いんだよ」



阿川先生に頭を書類でポンと叩かれた。