【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―





「それって、俺の知ってる人?」



俺の質問に頷く香月。



『でも……その人には自分の想いを伝えることが出来ないの』



そうメモ帳に書いて見せてきた。


想いを伝えられないって……。


どうして?


でも香月は俺の知ってるヤツが好きなんだ。


想いを伝えられない人……。


しかも俺の知ってる人……。


それは誰?


咲哉か?


それとも同じクラスの男子か?


聞くんじゃなかった。


そう俺は心の中で後悔していた。



「そっか……」



そう答えるのが精一杯だった。