シフトを“P”から“D”に入れて、サイドブレーキを解除しようとした時――。 香月が俺の腕を掴んできた。 ビックリして香月の方を見る。 香月はメモ帳に何か書いていた。 『好きな人はいるよ』 そう書かれたメモ帳を見せてきた。 好きな人いるんだ……。 その好きな人って誰? なぁ、香月? 香月の好きな人って誰だよ……。 香月の書いたメモ帳を見てショックを受けた。 好きな人が誰なのかも聞けない。 聞くのが怖い。 もし俺じゃなかったら……。 でも………。