【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―




始業式が終わり教室に戻ってきた。


私の席は窓際の1番後ろ。


開けられた窓の外を眺める。


満開の桜。


校庭に落ちた桜の花びらがピンク色の絨毯になって、どこまでも続いている。


皆が一斉に教室の前のドアに注目した。


私もドアの方を見た。


ドアから入って来たのは……ハンカチを拾ってくれた人で……。


新しく来た先生。


女子生徒の顔が笑顔になる。


先生と目が合った。


目を見開いてビックリした顔をしてる先生。


私は思わず、先生から目を逸らして再び窓の外を眺めた。