【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―




久しぶりの補習は頭によく入らなかった。


久しぶりに近くに先生がいるからかな……。


でも時間はアッという間に経って夕方になっていた。



「なぁ、今日は部活してる生徒がいないなぁ……」



先生がグラウンドを見ながら言った。


確かにグラウンドで部活をしてる生徒はいない。


明日から夏休みだから?



「そりゃそうだろ。明日から夏休みで、今日は旭川の河川敷で花火大会があるからな」



阿川先生が笑いながら言った。


私にもわかるように手話を使いながら。



「花火大会!?」



先生が驚いた顔をしてる。


花火大会があるんだ……。


知らなかった。


まぁ、私には関係ないけど。


一緒に行く人もいないし……。