保健室にパソコンのキーボードの音が響く。


外ではひぐらしが鳴いている。


賑やかだったグラウンドも静かになってる。



「なぁ、咲哉……」



俺は誰もいなくなったグラウンドを見ながら言った。



「ん?」


「俺さぁ……香月を特別扱いしてんのかなぁ?」


「どうしたんだよ」


「吉川に、HRの時に香月を特別扱いしてるって言われたから……」


「まぁ、瑞樹の好きな生徒から見たらそう見えるかもな。で、お前は自分自身どう思ってんだよ」


「俺?特別扱いしてるつもりはないけどな」


「じゃー、堂々としてればいいんじゃねぇの?」


「そうなんだけどさぁ……。あぁ!もぅ!わかんねぇ!」



俺は頭を抱え、髪をグシャグシャとした。


俺はどうしたらいいんだよ……。




―瑞樹Side end―