「俺もわかんねぇから吉川に聞いてるんだ」
吉川の顔をチラッと見た。
「香月さんが何か言ったんですか?」
「いや。香月は何も言ってないけど?」
「じゃー何で私なんですか?私がやったっていう証拠はどこにあるんですか?香月さんを嫌ってる人は沢山いるのに……」
「証拠か……。証拠はないよ。でもな吉川と秋本と矢沢の話を聞いたヤツがいるんだよ」
「えっ?」
吉川が一瞬、固まる。
「そ、それは誰ですか?」
「それは言えない」
「どうして!」
「どうしてもだ。なぁ、吉川。さっきも言ったけど、俺に本当のことを話してくれ……。頼む!」
俺は真剣な顔で吉川を見た。